競馬ユーチューバー・ストマック氏って知ってますか?
わたしは最近彼のことを知ったんですが。
なんか、すごく心に来るんですよ。ひとことでいうなら「ブルース」。
3話 末期のギャンブル依存症 ゴミクズの僕が少しだけ光り輝いた日 スプリンターズステークス 毎日王冠もぶち込みます
彼は建築現場で働く45歳の男性で、重度のギャンブル中毒(自称)。
動画ではドキュメント仕立てで彼の仕事から競馬までを自撮りする感じ。
彼は凄く卑屈になっていて、自分のことを「クズ」と卑下します。
わたしから見たら彼は全然クズではないんですけどね。
立派に世のため(賭けるためでも)働くし、時に昼夜ともに現場で働く。
そのうえで大金を賭けているわけです。動画での収入もあるのかな。
生まれてから今まで彼女もいないし、女性と付き合ったことはない、と。
最新動画「10話」で、マイルCS・4コーナー近づくにつれ
川田騎手のダノンプレミアムに賭けた彼は声を震わせながら吐露し、叫びます。
「家族と、友達と、彼女と競馬場に来ているの見ると羨ましいですよ。。。
競馬場で叫んでいるのが情けなくなりますよ。。。でもさぁ・・・
これが俺の選んだ道だからさぁ・・・かわだ~! 魂の騎乗~! かわだ~!!」
全ての騎手に見せてやりたい。こういう人が君たちに託しているんだよ!と。
70万近く淀で賭けていた彼の魂からの声が生々しく伝わります。
ちょうど彼の前にはJRAのCMに出てくるようなリア充の若者たちが。
その真逆に彼はいるのです。競馬場でも競馬場の外でも。
彼の動画のなかの言葉で一番響いたのは上の動画スプリンターズSの直線。
「俺はクズはクズでも星クズなんだよーーー!!!!」
タワーオブロンドンに賭けていた彼の咆哮です。
40半ばで同世代のわたしは、彼女こそいたことはあれ、
人生は上手くいってません。まったく。ストマック氏以下でしょう。
彼がクズだというならば、わたしは埃か糞か。そんな感じです。
ギャンブル場は万人を受け入れる懐の深さがあります。
身分・過去・現在・人種・性別・ハンデの有無、そういうの関係なく
当たった人が正義であり、大金を手にすることが正義なんです。
だから、たとえ人生難儀だとしても「ここなら勝負になる」
「ここなら勝負できる」「ここなら刹那的でも勝たせてくれる」。
そこにすがるように皆集ってくるのです。わたしもそのひとり。
だから彼の動画には心揺さぶられるし、共感もできる。
出所のわからない金で何千万も賭けて動画にする若者にはイマイチ乗れない。
それはそれで素直に凄いとは思うけど、それでは魂が感じられないんです。
ひとつ反省するとすれば、彼のような「本気」がわたしには足りてないこと。
だらだら細かくちょこちょこ馬券買ってたって痺れる勝負はできない。
彼の「賭けるスタイル」は真似できないんだけど「姿勢」ですよね。
遊びじゃないんだよ!(ストマック氏談)っていう。
なんというか「悲しい競馬者の性(さが)」・・・選んだ道だもんね。
それがわかる人とはいい酒が飲めそうです。
わたしもそっち側だから。
ストマック氏は無茶して働いているので健康には十分気を付けて欲しい。